「エンジニアリングマネージャーのしごと」を読んで
この本の概要
エンジニアリングマネージャーの仕事や、必要なスキルや考え方についてまとめられています。 物語形式で書かれており、新しい会社で初めてマネジメント職についた主人公が仕事を進めていく内容になっています。親近感をもてたのでサクサク読み進められました。
おすすめしたい人
感想
マネジメント系の本は心構え中心に語られることが多い印象でしたが、この本は採用・1on1・評価面談など実務に沿って書かれているので助かりました。それぞれの実務に1章使っており、どのような考え方のフレームワークで挑むのかしれて良かったです。
また、マネージャーのアウトプットは常に意識しないといけないなと思いました。 マネージャーはMTGが多いとよく聞きますが、これを考えると納得です。
マネージャーのアウトプット = あなたのチームのアウトプット + あなたが影響を与えた他のチームのアウトプット
特に学びになった章
3章 上手なコミュニケーションをするには
- タスクを委譲するにあたっての説明責任と実行責任という考え方。説明責任は委譲できない。
- 委譲のものさしの考え方。チームメンバーの経験やスキルをみて委譲の具合をコントロールしてタスクを振るべし。
- 委譲なし(自分でやる)
- 自分がやり方を示す
- 相手が行い自分がガイドする
- 相手が行い自分が頻繁にチェックする
- 相手が行い自分がときどきチェックする
- 終わったら相手が知らせてくれる
- 完全な委譲(相手がやる)
4章 1on1
- 1on1では、チームメンバーがキャリアに合わせて適度なやりがいや満足感をもってできるようにするために、その人の個性やモチベーションをどう活用するかを探る
- 1回目の1on1では、チームメンバーとの関係性を正しい方向に進ませるためにコントラクティングというエクササイズを行う。これを使えばお互いに期待していることを率直に話し合える。
- いちばんサポートが必要な分野はどこか?
- どんな形でフィードバックやサポートを受けたいか?
- 一緒に働く上での問題は何か?
- マネージャーのサポートがうまくいっていないことはどうすればわかるか?
- ミーティングの内容の機密性はどれくらいか?
5章 何が人を動かすのか?
- 個人は性格やモチベーションが異なるため、その人の欲求に沿ってその人に合った仕事を任せるのが大事。
- 継続的にスキルを向上させるために大切なこと
- 支援ありでできるタスクを与えること
- タスクの完成を支援する豊富な知識を持つ適任者がいること
- 管理と安定によってモチベーションが高まる人もいれば、カオスや変化によって高まる人もいる。1on1などの会話を通してチームメンバーがどちらなのかを探るのが良い。
15章 デュアルラダー
- 本章内で、ICへ進むキャリアとマネージャーとして進むキャリアについて、それぞれの職位(ジュニア〜シニアみたいなやつ)を表にして定義してくれている
- チームメンバーのキャリアについて、表をたどりながら1on1や評価面談すると良さそう
- コード書きながらマネージャーをしている人について、マネージャーとコードを書くのを両立しているなら問題ないが、マネージャーの仕事に支障をきたしているなら仕事量を調整したほうが良い
17章 スタートアップ
- 変化がめまぐるしくカオスになりやすいスタートアップこそ、チーム編成・品質・組織の拡張などエンジニアリングマネージャーの考え方やスキルを持つ人が必要
- 会社やCTOがスピード感をもって物事を進めようとすることに対する歯止め役になり、スピードのバランス調整することに寄与する