mizzsugar’s blog

Pythonで学んだことや読書録を書きます。

【読書録】リーン・スタートアップ

技術書ではないですが、技術的なことを含め意思決定の判断軸になる話でした。

リーン・スタートアップ | エリック・リース, 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長), 井口 耕二 |本 | 通販 | Amazon

読んでみようとした経緯

  • 仕事で感動させた人が2人もこの本の考えを仕事中に引用してたので、「これは読まないと!」と思ったこと。

概要

スタートアップで持続可能な事業を育てるための考え方や物事の進め方を紹介します。 この本での「スタートアップ」の定義は、組織の規模や立ち上げ時期に関係なく「とてもつなく不確実な状態で新しい製品やサービスを作り出さなければならない人的組織」(「リーン・スタートアップ」から引用)です。 不確実であるがゆえに計画通りにいかないけれども行きあたりばったりではうまくいかない状況でどう立ち向かうのか。 キーワードは「検証」と「学習」です。不確実な状況で創る新しい事業をどうやって持続可能にするかを「検証」によって「学習」します。


なぜ検証なのか?

従来のビジネスではウォーターフォール形式で物事を進めていました。ウォーターフォールが成り立つのは「これを実行したらこういう結果になる」と見えているからです。しかし、不確実な状況では予想外の出来事が多々起こり、最初に立てた計画通りに進みません。

ここで、ビジネスを前進させるための考え方として「検証」と「学習」が登場します。

スタートアップでは製品を世の中に出しても、上手く行くかどうか分かりません。ですから、製品を出すのがゴールではなく、出してみて顧客が同反応するかを実験する「検証」として捉えます。

実験で学んだことを踏まえて製品を改良するかそのまま進むか決めます。

この本では、検証と学習のサイクルを早く回すことが大事だといいます。

MVPとは何か?

MVPは製品デザインや技術的な問題を解決するためのものではない。基礎となる事業仮説を検証するためのものなのだ。

また、MVPに関してこんなツイートを見つけました。

MVPではデザインや技術的な問題を解決しないものの、検証対象となる価値を提供できるものでないといけないと学びました。

「リリースまでに最低限揃えないといけないもの」と今まで捉えていたのですが、「なぜリリースまでに揃えないといけないのか」のところを説明され、MVPで揃えるべき機能を判断する考え方が変わりました。

どういう仮設を検証したいか、検証のためにどんな価値を提供するかを考え、それをMVPの機能で実証出来るかを見ていきたいです。

正しく方向転換するために

検証したら、その結果を見て、成長するためには次何をするか決めなくてはなりません。その際に、正しく方向転換出来ないと、顧客が求めている価値を提供出来ず事業は停滞してしまいます。

正しい判断をするための基準として、「革新会計」という考え方が提唱されています。

売上や商談回数だけでなく、サイトの新規登録数・ダウンロード数・ログイン数などユーザーの行動を細かく分解してその結果を見ます。変更のたびにそれらの結果を見て

なぜその数字が改善・改悪されたのかを追う結果に対する要因が明確になり、舵取りの方向性も明確になります。

行動を促すような検証と行動を追うという考え方は、闇雲に何か変えようとなりにくく良いなと思いました。

スタートアップはスピードだけでなく開発の持続可能性も必要では?

エンジニアの仕事についてこんなことが書かれていました。

これに対してリーン・スタートアップの場合、たくさんのモノを効率的に作ることが目的ではない。持続可能な事業の構築方法をできるかぎり短時間で学ぶのが目的だ。
変化していく事業側のニーズに製品を対応させるのがエンジニアの仕事であり、事業に関する決定が正しいか否かにエンジニアは関与しないのだ。

これらを読んで、WEB+DB PRESS 113号の「体験ドメイン駆動設計」の一節を思い出しました。

 私たちはいつごろから片道ロケットの打ち上げ競争をやめて、飛行機を安定的に運行させたいと願うようになったのでしょうか。

(中略)
システム開発を取り巻く環境の変化は、片道ロケットに乗った開発者たちが返ってこなかったというのが大きな理由になっているのではないかと考えます。

 プログラムは動かすだけなら簡単で、しかし動かし続けるのは難しい代物です。開発速度を明大に形作られたソフトウェアはそのあとの運用について考慮されておらず、ビジネスの変化のたびにつぎはぎだあらけの応急処置が繰り返されて、複雑怪奇な進化を遂げます。

たしかに、保守運用のために回すよりもガンガン作った方が今目の前では利益を生むので、現時点での利益のためにこういったことに時間を費やすべきではないという意見もあります。

でも、持続させることを目的とするならば、持続可能なシステムを構築する手段としてテストやアーキテクチャに目を向けるべきではないかと思いました。「スタートアップだから」こういったことを考慮しないというのは、スタートアップの目的から考えると筋が合わないので、自分もここらへんの学習をより一層がんばります。